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  • 2006-05-07 (日)

昔々、ある森に一匹の猿がいました。

その森には宝石のような雨が降り、いい香りのする美しい花が咲き、沢山のおいしい果実をつける樹が生えて、猿を襲う大きな獣も、枝から枝へ樹から樹へ、簡単に巻くことができました。おいしい果実でお腹がいっぱいになった幸せな猿は、森の中の一番高い樹の天辺で、森の外の雨が降らない乾いた草原のその向こうを眺めるのが日課でした。

ある朝、猿は樹を降り森を出ました。雨が降らない、花も咲かない、硬くて刺々しい葉っぱの樹しか生えない乾燥した草原。猿にとってはあまりにも過酷な環境でしたが、猿は草原の向こうを見ようと思ったのです。

大地に降りた猿は乾燥した草原を駆け抜けて、やがて猿は人間になりました。
猿は言います。

「あなたはなぜそこにいるのですか?」

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